アーティストのためのアーティストによる、色彩と光の理論
作画に直結した解説と具体的な事例を示す豊富なイラストを掲載。アート、映画、ゲームをはじめ、さまざまな分野のアーティストに広く読まれています。
アメリカを代表する現代イラストレーターの一人であり、博識で知られるジェームス・ガーニーが、自身のアート制作の経験と知識を分かりやすく語る「A Guide for the Realist Painter:リアリズム絵画の手引き」シリーズ VOLUME 2
アートの基本は、光そして色彩にあります。鮮やかで、時間がたっても色あせない顔料を求めて世界中を探検した時代にはじまり、デジタルツールでアート作品を作れる現在に至っても、色彩と光をどう操るかはアーティストにとって最も興味のあるトピックでしょう。
光の性質、色の特徴を知ると、目に映ったものを視覚化するための方法が違った側面から見えてきます。光の描き方、色の歴史と性質、巨匠たちの色使い、人間の視覚などの理論からはじまり、さまざまな効果をもたらす配色方法(カラースキーム)、光と色の相互作用などの具体例が豊富に解説されています。
見開き2ページに1つのトピックがまとめられた、色彩と光についての読みやすい解説書です。さらに、光と色を巧みに使った巨匠の作品解説、ゲーテとニュートンをはじめ光の科学的側面からの考察、顔料の歴史など、読み物としても楽しめる内容です。
※ 本書は「Color and Light」(Andrews McMeel Publishing刊)の日本語版です。
推薦の言葉
「アートスクールの学生だった頃にこの本に出会いたかった!」
ディラン・コール(Dylan Cole)
:『アバター』コンセプトアートディレクター
「ずっと探し求めてきた本、今まで決して出会うことのできなかった本がこれだ」
マーク・トケット(Mark Tocchet)
:フィラデルフィア芸術大学イラストレーション学科教授
「これまでは、具象絵画を描くアーティストに向けて色彩と光を明快かつ徹底的に解説した書籍はありませんでした。本書の登場によって、その深刻な状況は一変しました。画題に正確かつ説得力のある表現を加えるためのさまざまな手法が解説された本書は、手描きのアーティストにも、デジタルアーティストにも大いに役立ちます。」
ネイサン・ファウクス(Nathan Fowkes)
:DreamWorksコンセプトアーティスト
ロサンゼルスアカデミー・オブ・フィギュラティブ・アート講師
はじめに
Chapter 1 伝統
巨匠たちの色使い
アカデミーの伝統
イギリスにおける野外制作
ハドソン・リバー派
野外芸術運動
象徴派の夢
雑誌のイラスト
Chapter 2:光源
直射日光
曇天の光
窓からさし込む光
キャンドルと炎の光
屋内の電灯
街灯と夜景
ルミネセンス
隠れた光源
Chapter 3:光とフォーム
フォームの原理
明部と暗部の区別
投影
ハーフシャドウ
オクルージョンシャドウ
プレーンライト
フロントライト
エッジライト
逆光
アンダーライト
反射光
スポットライト
フォームの原理の限界
Chapter 4:色の要素
カラーホイール再考
彩度と明度
固有色
グレーと無彩色
緑をめぐる問題
グラデーション
Chapter 5:絵具と顔料
顔料の探求
顔料のチャート化
耐光性
暖色での地塗り
スカイパネル
透明性とグレージング
パレットの構成
色数を絞ったパレット
泥を巡る議論
Chapter 6:色の関係
モノクロ
暖色と寒色
色付きの光の作用
トライアド
カラーアクセント
Chapter 7:プレミックス
カラーストリングの準備
ガマットマッピング
ガマットマスクの作成
配色の形状
調整したガマットの混色
カラースクリプト
Chapter 8:視覚
色のない世界
月の光は青いか?
エッジと奥行き
色の対立
色の恒常性
順応とコントラスト
食欲をそそり、癒す色
Chapter 9:表面と効果
透過光
サブサーフェススキャタリング
顔のカラーゾーン
髪の秘密
コースティクス
鏡面反射
ハイライト
カラーコロナ
モーションブラー
写真か観察か
Chapter 10:大気の効果
スカイブルー
空気遠近法
逆空気遠近法
ゴールデンアワーの光
日没
霧、かすみ、煙、塵
虹
スカイホールと群葉
光芒とシャドウビーム
木漏れ日
雲の影
日のあたる前景
雪と氷
水面:反射と透明度
山あいの小川
水中の色
Chapter 11:光の変化によるドラマ
連続スケッチ
最後の締めくくり
Chapter 12:参考資料
顔料について
推薦図書と情報源
用語集
索引
謝辞