「スカルプターのための美術解剖学 3 頭頸部編」は、あらゆるビジュアルアーティスト必携の一冊です!
うすうすお気付きの方もいるかもしれませんが、皮膚の下の筋肉は、人の顔のフォルムとはほとんど関係ありません。顔の筋肉は、最終的な見た目を決める要素の1つにすぎないのです。本書では、頭頚部のフォルムを図を使って紹介しながら、見た目とアナトミー(解剖学)の関係について掘り下げます。
アートの真の自由を謳歌するには、若い白人男性の無表情を描けるだけでは足りません。ミケランジェロのダビデ像は確かに傑作ですが、それを参考にできないケースが多々あるからです。さらに、成功へのカギは、フォルムを再現することではなく、フォルムとその構成を理解することにあります。それができれば、創造的自由は驚くほど広がります。
顔には、たいてい何らかの動きがあります。感情でも変化しますし、年齢、民族、性別、体型、ちょっとした身体構造など、多くの要素が顔の見た目に影響します。
「スカルプターのための美術解剖学 3 頭頸部編」では、これらのカテゴリーに分けて、頭頚部の複雑な部位を分析します。口、目、耳などの各部位を概形に簡略化してから、細かいリアルな形状に少しずつ再構築していきます。私たちの書籍に欠かせないのは、3Dモデル、写真、カラーコーディングなどの視覚的な画像情報ですが、本書も例外ではありません。文字の使用を最低限に抑えているため、直観的に読み進められる、とても理解しやすい本になっています。
「Anatomy for Sculptors」というコミュニティを立ち上げる原動力となったのは、スカルプターのニーズに応えたいという思いでした。コミュニティ名に「Sculptors」が含まれているのはそのためです。以来、私たち3Dおよび2Dアーティストのチームは、医療および解剖学の専門家と連携しながら、さまざまな知識を積み上げてきました。スカルプターはもちろんのこと、すべてのビジュアルアーティストの一助となることが、私たちの真の目標です。