『●これからの10年
ディケイド(Decade)、10年間を指す言葉。2021年は新しいディケイドの区切りの年ですが、コロナ禍が完全に収束しないままのスタートとなりました。
最近、巷間では、旧来の価値観に代わりジェンダー平等、フェミニズムなどの声が高まってきています。マクロ的に見れば、ナショナリズムとグローバリズムの間で、振り子が大きく振れているようにも感じます。多様な価値観の中でクリエイティブを行うことはなかなか大変な時代かもしれませんが、ismの先にある「何か」を追い求めるのが、クリエイターなのかなとも思っています。
昭和、平成から令和まで、高度成長期を経てバブル崩壊後の日本は、ずっと五里霧中といえるのかもしれません。歴史をさらに振り返れば、また世界を眺めてみれば、それは特別な状況ではないのでしょう。ただ、すでに高齢者に属するバブル期世代のみならず、若い世代の中にも、いまだにバブル的価値観に囚われている人が少なくないように感じます。消え去った”泡”より、まだ見ぬ明日をイメージしたいものです。
さて、今年の「ジャパン・クリエイターズ2021」は、喜ばしいことに若手のクリエイターのご参加が増えています。いつの時代も、閉塞感を突破していくのは若い世代です。本書を自らのクリエイティブによって切り開く、明日へのファーストステップにしていただければ何よりです。
●オールジャンル、オールエイジ
もちろん本書は若手だけではなく、それぞれの世代による、いわば紅白歌合戦的ステージを目指しています。ベテランの隠し味、若手の新鮮味、メジャーの切れ味…そういったさまざまなクリエイティブがジャンルを問わず一堂に会する、熱くて厚い本にしていければと常に考えています。
日々変わりゆく風をインプットし、自らの土壌から作品をアウトプットしていくクリエイターの皆さんのためのステージ、それが「ジャパン・クリエイターズ」です。
本書は2021年現在における「日本クリエイティブ」のパッケージです。
・最先端のクリエイティブを閲覧する資料として
・イラストレーター、デザイナーをお探しの企業の皆様のガイドブックとして
・学生などクリエイターを目指す方々の指標として
読者の皆様には、さまざまな視点で本書をご活用いただければ幸いです。