「ジャパン・クリエイターズ 2019」をお届けします。
本書は2014年の創刊以来6年目の刊行となります。人間で言えば小学校1年生に上がる年齢、早いです。
今年も最新の日本のイラスト、デザインをお届けします。
さて、元号が令和となりました。中村草田男の俳句に「降る雪や 明治は 遠くなりにけり」(昭和6年)がありますが、令和になった今、”昭和は遠くなりにけり”といったところでしょうか。
振り返って、明治、大正、昭和、平成と、元号ごとにビジュアルイメージを連想してみるのも面白いかもしれません。
例えば明治は赤レンガ、大正は赤玉ポートワインのポスター、昭和は金型製品、21世紀を迎えた平成はインターネット…などなど。
人によって思い浮かぶイメージはさまざまだと思いますが、ビジュアルイメージは少しづつ、確実に変化してきています。
本書がもし明治時代から存在していたら、とても貴重なアーカイブになったと思います。
編集としては、そんな気持ちで本書と向かい合っています。
今号では、巻頭特集に「ニッポングラフィティ Today」を設けました。
元号が変わり、2020年の東京オリンピック直前に、一度今の”日本的ビジュアル”をまとめてみました。
本書自体がすでに日本の年鑑ではあるのですが、さらに日本にこだわった特集です。
クリエイターの皆さんの”日本的”の解釈も実に多彩で、楽しめる特集になったかと思います、
毎回言っていますが、本書の目的は2つ。
アーカイブとプロモーションです。
編集としてはアーカイブを極めることでプロモーションにもご利用いただければというスタンスです。
言い換えれば、内容もパッケージングも、質の高い作品集を毎年世に問うことで、結果的にクリエイターの皆様とクライアントが出会い、今までにないクリエイティブを生み出していただければと考えています。
本書が、新しい出会い、新しいクリエイティブ創出のきっかけとなり、そしてそれをまたアーカイブしていければ幸甚です。
本書は2019年現在における「日本クリエイティブ」のパッケージです。
・最先端のクリエイティブを閲覧する資料として
・イラストレーター、デザイナーをお探しの企業の皆様のガイドブックとして
・学生などクリエイターを目指す方々の指標として
読者の皆様には、さまざまな視点で本書をご活用いただければ幸いです。
2019年6月
森屋義男(エディター)