第1特集
デジタル作画の今
アニメーションを取り巻く環境は常に変化している。セルアニメからデジタルアニメへの移行は大きな変革であったし、3DCGを主体とした作品も増えてきた。一方で作画作業は以前から変わらず、その大半が紙と鉛筆で描かれている。しかし近年、この作画作業をデジタル化する動きが加速している。本特集では、異なる規模、様々な環境をもつスタジオ6社へ取材し、具体的な制作事例や今アニメーション業界で起きていること、そして未来への展望について聞いた。
- CASE01
地方都市にデジタル作画専用のスタジオをもつ
旭プロダクション
- CASE02
アニメーターの可能性を広げるデジタル作画部を設立
サンジゲン
- CASE03
先を見据えて挑むデジタル作画プロジェクト
オー・エル・エム
- CASE04
過去から未来へ希望を紡ぐ老舗アニメーションスタジオ
タツノコプロ
- CASE05
設立1年目の若手スタジオが組織づくりから考える
シグナル・エムディ
- CASE06
常に挑戦を続ける中堅プロダクション
ディヴィッドプロダクション
CASE01
地方都市にデジタル作画専用のスタジオをもつ
旭プロダクション
いち早くデジタル作画を採り入れ、試行錯誤を重ねてきた業界の先駆社 旭プロダクション。メインツールにRETAS STUDIOのStylosを使用し、既存のフローに則った制作スタイルを紹介する。
CASE02
アニメーターの可能性を広げるデジタル作画部を設立
サンジゲン
わずか4名のスタッフがTVPaint Animationを用いてショートアニメーション1話分を描き上げたという、3DCGスタジオに誕生したデジタル作画部の挑戦に迫る。
第2特集
デジタル造形 本格マスター!
近年、ますます裾野が広がるデジタル造形。今回はプロの原型師によるデジタルアーティスト向けのTIPSやデジタル原型師による座談会、さらにアニメ作品やゲームなどからフィギュア制作に仕事の幅を広げたアーティストの事例まで、デジタル造形を始めたい人へ向けての情報を選りすぐってお届けする。。
- TIPS
デジタルアーティスト向け デジタル造形TIPS
- Making 01
巴マミ 舞妓Ver./美樹さやか 舞妓Ver.
1/8スケールフィギュア
- Round Table Talk
デジタル原型師座談会
- Making 02
三日月宗近
ガレージキット(ディーラー「ハッカ」)
TIPS
デジタルアーティスト向け デジタル造形TIPS
これまでの本誌特集でも何度か解説してきたように、デジタル造形とひと口に言っても、そのモデリング手法は映像制作とは異なる点も多い。今回はプロのフィギュア原型師として活躍するスーパーバイザー(藤縄)氏が特別にデジタル原型制作初心者向けにデジタル造形のコツや注意点を解説してくれた。
Making 01
巴マミ 舞妓Ver./美樹さやか 舞妓Ver.
1/8スケールフィギュア
大ヒット作『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』(2013)より、5人の魔法少女たちの和装姿をフィギュア化した本シリーズ。今回はそのうち、「巴マミ」と「美樹さやか」を紹介。原型を手がけたのはモデリングディレクターとして知られる宮嶋克佳氏だ。
特別企画&連載記事
短期連載
- 『BREETSCHLAG(ブレットシュラーク)』 第2回
- 遊技機向け映像制作ワークフロー 第2回
HOT STUFF
- イクリエ「DESKTOP ARMY」における3DCGモデルの多面展開
- 最先端ワールドCGレポート vol.2 GUNCY'S EYE
- UE4で可能となるノンフォトリアル表現
イクリエ「DESKTOP ARMY」における3DCGモデルの多面展開
社内に映像と原型の2つの制作チームをもち、幅広い案件を手がける株式会社イクリエ。本稿では映像/原型両方のノウハウをもつ同社ならではと言える、1体の3DCGモデルデータを映像用・原型用の双方に展開する手法を、同社制作の新製品「DESKTOP ARMY」を例に紹介する。
UE4で可能となるノンフォトリアル表現
今年3月のGDCにて基本使用料の無料化が発表されたUnreal Engine 4。ここのところハイエンド系のCGスタジオでの採用事例の公表も相次ぎ、導入を開始しているスタジオのニュースや噂が散見されるようになってきた。先日開催された「Unreal Fest 2015 Yokohama」では、ノンフォトリアル表現への応用についても公表されたのでその詳細を紹介したい。
SERIAL
- アニメCGの現場
- VFXアナトミー
- デジタル造形ノート
- Observant Eye
- ModelingCafe コンセプトモデリング講座
- JET STUDIO Effect Lab.
- Houdini Cook Book
- 画龍点晴
- Motion Sack of Stunt Man
- アニメーションスタイル
- 海外で働く日本人アーティスト
アニメCGの現場
『蒼穹のファフナー EXODUS』
XEBEC制作によって2004年に放映されたTVアニメ『蒼穹のファフナー』。2005年のスペシャル番組を経て、2010年に映画『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』が公開され、現在は『蒼穹のファフナー EXODUS』が放映中だ。10年続く長いプロジェクトで、初期TVシリーズではファフナーや兵器は作画で描かれていたが、現在はオレンジによる3DCGで表現されている。
VFXアナトミー
映画『海難1890』
日本・トルコ合作の大作映画『海難1890』は、台風に荒れ狂う海や樫野崎の村の構築などVFXによる見どころも多い。VFXを担当したのは東映アニメーションのデジタル映像部だ。エルトゥールル号のCGアセットはトルコのCherryCherry VFX(本社:イギリス)が作成し、データを共有した。約400のVFXショットのうち100ショットが海関連のショットだという。
デジタル造形ノート
EZ-036 デススティンガー(後篇)
前号ではプラモデルキットのモデリング工程までをご紹介しました。今回は、その後の設計〜3D出力〜テストショットの検証などの工程をご説明していきます。ただ「設計」と言っても、イメージが湧きにくい方も多いのではないでしょうか?設計とはいったい何ぞや?そもそも設計の必要性はあるのか?そのあたりの疑問をできるだけ解説していきたいと思います。