観客や読者を引き付ける絵作りとそのつなぎ方には原則がある。
なぜこのフレーミングなのか?
構図で雰囲気を演出するには?
アニメーション、静止画を問わず、台詞なしにも伝わる臨場感とストーリーで観客や読者を引き込むには、構図に配慮が必要です。構図、レイアウト、ビジュアルストーリーテリングに必要な要素を230のイラスト、166の図解によって分かりやすく解説。
マルコス・マテウは、20年を超える長編アニメーション映画制作の経験を明快かつ実践的な"画像言語"のマニュアルとしてまとあげた。構図、ライティング、コンティニュイティに対する特別な目を持つマルコス。作品には、それが雰囲気やドラマとして表れている。
- ジェフリー・カッツェンバーグ(Jeffrey Katzenberg)
DreamWorks Animation CEO
映画、コミック、イラストレーションなど、さまざまな分野で「イメージでストーリーを語る方法」を論じたさまざまな書籍が書かれている。しかし、その方法を本当の意味で分からせてくれる書籍は少ない。名人マルコス・マテウは、数百もの美しいイラストによってビジュアルによるストーリーテリングの秘訣を細部にわたって明らかにしてくれている。
- ポール・ラセイン(Paul Lasaine)
プロダクションデザイナー:「サーフズ・アップ」、VFXアートディレクター:「ロード・オブ・ザ・リング」
本書は、『Framed Ink: Drawing and Composition for Visual Storytellers』の日本語版です。
序 文 ジェフリー・カッツェンバーグ(DreamWorks Animation、CEO)
はじめに
CHAPTER 1:ナラティブアートの概要
考え、感じましょう。ストーリー、シーケンス、ショットとは、何でしょう?
どうすれば観客を私たちの世界に引き込めるでしょう?
ストーリーの全般的なトーン/一貫性
「語る」のではなく「感じさせる」
CHAPTER 2:一枚絵の描画と構図(基礎)
雰囲気
ライティング
明と暗による描画(そもそも存在しない輪郭線について)
目の前の現実をあるがままに観察する
平面への描画/基本チェックリスト
レンズの基本
CHAPTER 3:目的に応じてショットを構成する
はじめに
Part 1:静止画の構図におけるビジュアルメッセージ(サンプルの分析)
レストラン(一般原則)
エスタブリッシングショット
シーンに動きを与える
見下ろす、弱気になる
威圧的なあおりショット(上向きのショット)
ネガティブスペースの使用
フレーミング
秩序/混沌
複雑/シンプル
大/小
直線的な形状/曲線的な形状
「木対森」の効果(どれだけ描くか)
大、中、小
キャラクターとしての風景
隠す/見せる(感情を表現する)
不自然なリズム、不自然なショット
POV(視点)ショット
日中/夜間
焦点の維持
スケールの連鎖
意識/無意識(インターカット)
人物やアクション以外の焦点(象徴を使う)
アクションショット
Part 2:動きへの対処
セット内でのカメラの動き/カメラのモチベーション
水平方向のパン
垂直方向のパン
雰囲気を変える
リビール
固定カメラ:例1 ダイナー
固定カメラ:例2 砂漠
CHAPTER 4:コンティニュイティ(連続性)に配慮した構図
次に影響することを考える:連続性の考察
クライマックスを盛り上げる理由
徐々に盛り上げる(1):真横から見た列車
徐々に盛り上げる(2):パース付きの列車
同じ要素でまったく異なるメッセージを伝える
「カウボーイ」(1):カメラの位置を変えない
「カウボーイ」(2):目的に応じてカメラの位置を変える
同じ要素でまったく異なるメッセージを伝える(転換)
「ライダー」(1):「謎の家」
「ライダー」(2):「屋根裏のマフィアたち」
ライン
CHAPTER 5:グラフィックノベル
はじめに
PART 1:キャラクター
全体シルエット/頭部
全体シルエット/ボディ
表現のダイナミクス/顔
表現のダイナミクス/ボディ
PART 2:コマとページ
コマ
ページ
吹き出しと擬音語
おわりに
索 引
A-1 Pictures
織田健吾氏
見る人を惹きつける画を作る上で、まず初めにすべての土台となる構図への配慮が重要になってきます。
本書では構図を組み立てる上での考え方、手法をシーンごとに例を挙げつつシンプルに分かりやすく解説されており、 入門書として、またはより理解を深めたい方へのオススメの一冊となっています!